mini記述:民法債権#14

動画内容は、下記の「ウェブテキスト版」と同一です。そのため、動画を視聴しないで、下記の「ウェブテキスト版」のみに取り組んで頂いても問題はありません。
なお、解説内容は「アザラシ式記述対策講座」のものとほぼ同一となります。

ミニ記述チャレンジ ウェブテキスト版

問題1

AはBに対し、家屋を売り渡す契約を締結したが、引渡し前に落雷により家屋は滅失した。このように、売主Aの帰責事由によらず家屋の引渡しができないとき、Bの代金支払い義務はどのような状態になり、Bは代金の支払いをどのように扱うことができるか【支払義務は】に続く形で、25文字程度で記述してください。

※危険負担の問題のみに焦点をあてて解答をしましょう。

正解例
【支払い義務は】
消滅しないが、Bは代金支払いを拒むことができる。(24文字)

【解説】
危険負担というのは、リスクをどちらが負担するのか?を決めるものです。たとえば、設問の家屋の売買契約のように家屋を引渡そうとしていた売主(債務者)に責任がないのに、履行不能になったときにそのリスクを売主と、買主のどちらが負担するべきかを考えるものです。
民法では、設問のように売主Aの帰責事由がないのに、家屋の引渡しができないとしても、売主の代金請求権は消滅しないとしています。ということは、買主が危険を負担するのかとなりそうなところですが、買主は代金支払いを拒むことができるのです。代金請求権は消滅しないけど、代金支払い義務は拒否できるという変則的な状態になるわけです。
しかし、支払い義務が残ることに疑問をもつ人もいるかもしれませんが、それは債務不履行の問題として考えることになります。つまり、危険負担の規定で支払い拒否はできるけど、支払い義務を消滅させたいのなら債務不履行に基づいて契約解除をすればよいということになるのです。
以上、かなり変則的な規定なのですが、とりあえず覚えるのなら「引渡し前のリスクは売主(債務者)が負担するから、買主は支払いを拒むことができる」という結論部分を最低限のこととして押さえておきましょう。

問題2

AはBに対し、家屋を売り渡す契約を締結したが、引渡し前に家屋が滅失した。引渡し前に家屋が滅失した場合でも、Bが代金支払義務を負うのはどのようなときか20文字程度で記述してください。

正解例
Bに帰責事由があり、家屋が滅失した場合。(20文字)
【解説】
売買契約の目的物となっている家屋を、買主Bが滅失させてしまったのなら、買主Bがリスクを負担するべきということになります。
リスクを買主Bが負担するのですから、買主Bは代金支払いを拒むことはできません。家屋の引渡しを受けられないとしても、そんなことは関係がないのです。
しかし、売主Aは家屋の引渡しをしなくなったことで、メンテナンス費用などの、家屋引渡しのために支出予定だったお金の出費がなくなったのなら、その利益があることになります。そこで、売主Aは得た利益分を買主Bにきちんと償還する義務がうまれる点も余裕があればおさえておきましょう。

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参考条文
民法
(債務者の危険負担等)
第五百三十六条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
(目的物の滅失等についての危険の移転)
第五百六十七条 売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
2 売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。
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ミニ記述 民法債権編
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