ミニ記述チャレンジ ウェブテキスト版
問題1
審査請求に係る処分が違法又は不当ではあるが、取消しなどをすると公の利益に著しい障害を生ずる場合において、処分を取消しなどをすることが公共の福祉に適合しないと認めるとき、審査庁は裁決で、当該審査請求を棄却することができる。これを事情裁決というが、事情裁決をするためには審査庁はある宣言をする必要がある。どのような形で、なにを宣言する必要があるのか25文字程度で記述してください。
正解例
裁決の主文で、当該処分が違法又は不当であること。(24文字)
【解説】
事情裁決は、行政側が悪いことや不当なことをしているけど、取消すと影響が大きすぎるから勘弁してくれと審査庁が宣言をするものです。たとえば、ダムの設置許可処分が違法だったからといって、完成後に取り壊すのは影響が大きすぎます。そのため、違法だと認めつつも、審査請求人(国民側)の負けとしてしまうのです。
なお、事情裁決はあくまでも審査請求人(国民側)の負けであって、勝ちではありません。そのため、事情裁決は裁決の大きな枠組みでいうと棄却裁決に含まれることになります。
事情裁決の全体像と、勘違いしやすい部分を必ず確認してくださいね。
裁決の主文で、当該処分が違法又は不当であること。(24文字)
【解説】
事情裁決は、行政側が悪いことや不当なことをしているけど、取消すと影響が大きすぎるから勘弁してくれと審査庁が宣言をするものです。たとえば、ダムの設置許可処分が違法だったからといって、完成後に取り壊すのは影響が大きすぎます。そのため、違法だと認めつつも、審査請求人(国民側)の負けとしてしまうのです。
なお、事情裁決はあくまでも審査請求人(国民側)の負けであって、勝ちではありません。そのため、事情裁決は裁決の大きな枠組みでいうと棄却裁決に含まれることになります。
事情裁決の全体像と、勘違いしやすい部分を必ず確認してくださいね。
問題2
処分についての審査請求が理由ある場合、審査庁は裁決で処分の全部もしくは一部を取消し、又は変更することになる。しかし、当該処分に理由があるとしても、当該処分を変更することができない(取消しのみできる)場合もあるがそれはどのようなときか、【審査庁が】に続く形で25文字程度で記述してください。
正解例
【審査庁が】
処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合。(25文字)
【解説】
審査請求で審理をして、審査請求人(国民側)の言うことに一理あるとなったときは、認容裁決が出されます。
この場合、審査庁がどこであっても
・全部取消し
・一部取消し
以上2つのいずれでもすることができます。まず、これが基本となるので押さえるようにしてください。
しかし、「処分の変更」に関してだけでは、審査庁が処分庁 or 上級行政庁の場合にしかできません。なぜなら、処分庁と上級行政庁は処分の当事者なので、その処分をする専門家といえるからです。そのため、関係がない立場のお役所が審査庁の場合は処分を変更することはできないのです。ちなみに、審査庁が処分庁 or 上級行政庁で処分を変更できる場合であっても、審査請求人(国民側)に不利益な変更はできない点も押さえておいてくださいね。
【審査庁が】
処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合。(25文字)
【解説】
審査請求で審理をして、審査請求人(国民側)の言うことに一理あるとなったときは、認容裁決が出されます。
この場合、審査庁がどこであっても
・全部取消し
・一部取消し
以上2つのいずれでもすることができます。まず、これが基本となるので押さえるようにしてください。
しかし、「処分の変更」に関してだけでは、審査庁が処分庁 or 上級行政庁の場合にしかできません。なぜなら、処分庁と上級行政庁は処分の当事者なので、その処分をする専門家といえるからです。そのため、関係がない立場のお役所が審査庁の場合は処分を変更することはできないのです。ちなみに、審査庁が処分庁 or 上級行政庁で処分を変更できる場合であっても、審査請求人(国民側)に不利益な変更はできない点も押さえておいてくださいね。
問題3
処分の全部又は一部を取消し、さらに当該申請に対して許可処分をすべきものと認めるときは義務付け裁決が出される。この義務付け裁決において、審査庁が処分庁の上級行政庁であるときどのように対応することになるか【上級行政庁は】に続く形で20文字程度で記述してください。
正解例
【上級行政庁は】
処分庁に対して、許可処分すべき旨を命じる。(21文字)
【解説】
この設問のような裁決を、義務付け裁決といいます。認容するだけではなく、さらに一歩進んで許可処分を出すことなどを義務付けるのです。
解答のとおり審査庁が上級行政庁の場合は、処分庁に「ちゃんとしろ!」と命じることになります。そして、審査庁が処分庁である場合は自ら許可処分をすることになります。
審査庁が上級行政庁と、処分庁のいずれかで命令するか、自分でするかがわかれることを押さえておきましょう。
【上級行政庁は】
処分庁に対して、許可処分すべき旨を命じる。(21文字)
【解説】
この設問のような裁決を、義務付け裁決といいます。認容するだけではなく、さらに一歩進んで許可処分を出すことなどを義務付けるのです。
解答のとおり審査庁が上級行政庁の場合は、処分庁に「ちゃんとしろ!」と命じることになります。そして、審査庁が処分庁である場合は自ら許可処分をすることになります。
審査庁が上級行政庁と、処分庁のいずれかで命令するか、自分でするかがわかれることを押さえておきましょう。
参考条文
行政不服審査法
(裁決の時期)
第四十四条 審査庁は、行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号又は第三号に規定する議を経たとき)は、遅滞なく、裁決をしなければならない。
(処分についての審査請求の却下又は棄却)
第四十五条 処分についての審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
2 処分についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
3 審査請求に係る処分が違法又は不当ではあるが、これを取り消し、又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、処分を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却することができる。この場合には、審査庁は、裁決の主文で、当該処分が違法又は不当であることを宣言しなければならない。
(処分についての審査請求の認容)
第四十六条 処分(事実上の行為を除く。以下この条及び第四十八条において同じ。)についての審査請求が理由がある場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない。
2 前項の規定により法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
一 処分庁の上級行政庁である審査庁 当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
二 処分庁である審査庁 当該処分をすること。
3 前項に規定する一定の処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
4 前項に規定する定めがある場合のほか、第二項に規定する一定の処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が同項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。
第四十七条 事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。
一 処分庁以外の審査庁 当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずること。
二 処分庁である審査庁 当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること。
(不利益変更の禁止)
第四十八条 第四十六条第一項本文又は前条の場合において、審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じ、若しくはこれを変更することはできない。
(不作為についての審査請求の裁決)
第四十九条 不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
2 不作為についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
3 不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。この場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
一 不作為庁の上級行政庁である審査庁 当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
二 不作為庁である審査庁 当該処分をすること。
4 審査請求に係る不作為に係る処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
5 前項に規定する定めがある場合のほか、審査請求に係る不作為に係る処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が第三項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。
行政不服審査法
(裁決の時期)
第四十四条 審査庁は、行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号又は第三号に規定する議を経たとき)は、遅滞なく、裁決をしなければならない。
(処分についての審査請求の却下又は棄却)
第四十五条 処分についての審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
2 処分についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
3 審査請求に係る処分が違法又は不当ではあるが、これを取り消し、又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、処分を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却することができる。この場合には、審査庁は、裁決の主文で、当該処分が違法又は不当であることを宣言しなければならない。
(処分についての審査請求の認容)
第四十六条 処分(事実上の行為を除く。以下この条及び第四十八条において同じ。)についての審査請求が理由がある場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない。
2 前項の規定により法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
一 処分庁の上級行政庁である審査庁 当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
二 処分庁である審査庁 当該処分をすること。
3 前項に規定する一定の処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
4 前項に規定する定めがある場合のほか、第二項に規定する一定の処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が同項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。
第四十七条 事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。
一 処分庁以外の審査庁 当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずること。
二 処分庁である審査庁 当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること。
(不利益変更の禁止)
第四十八条 第四十六条第一項本文又は前条の場合において、審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じ、若しくはこれを変更することはできない。
(不作為についての審査請求の裁決)
第四十九条 不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
2 不作為についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
3 不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。この場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
一 不作為庁の上級行政庁である審査庁 当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
二 不作為庁である審査庁 当該処分をすること。
4 審査請求に係る不作為に係る処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
5 前項に規定する定めがある場合のほか、審査請求に係る不作為に係る処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が第三項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。
コメント