mini記述:行政不服審査法#1

動画内容は、下記の「ウェブテキスト版」と同一です。そのため、動画を視聴しないで、下記の「ウェブテキスト版」のみに取り組んで頂いても問題はありません。
なお、解説内容は「アザラシ式記述対策講座」のものとほぼ同一となります。

ミニ記述チャレンジ ウェブテキスト版

問題1

Aとその仲間50人が共同して、審査請求をしようとしたが、全員が審査請求に参加すると煩雑になると考えた。これを避けるために、Aとその仲間たちは3人を超えない総代を互選することができる。互選された総代は、審査請求においてなにを行うことができるのか25文字程度で記述してください。

正解例
審査請求の取下げを除き、審査請求に関する一切の行為。(26文字)
【解説】
総代は、団体や集団の代表者という意味をもちます。審査請求は、大人数で行うこともできるのですが、それでは手続きが煩雑になって面倒です。そのため、総代を決めて手続きをすすめていくわけです。
行政側としても大人数で審査請求をされると、事務手続きが大変になります。そこで、審査請求人たちが総代を決めようとしない場合は、行政側から総代の互選を命令することができます。しかも、行政側は総代が2人以上いても、各種通知などは1人にだけすればOKなので、事務手続きがグッと軽くなるのです。
互選で選ばれた総代は、審査請求の取下げ以外のことはすべての行為をすることができます。
総代を選ぶかどうかは任意なのですが、行政側から「選べ!」と命令できることも覚えておいてくださいね。

問題2

Aは審査請求をしようとしたが、法律知識に乏しく手続きが面倒そうだと考えた。そのため、Aは代理人としてBを選任し審査請求に関する一切の行為を任せることとした。しかし、代理人であっても原則として行えないことがあるがそれは何か、また当該行為を代理人が行うために何が必要になるのか【原則として代理人が行えないことは、】に続く形で25文字程度で記述してください。

正解例
【原則として代理人が行えないことは、】
審査請求の取下げで、行うには特別の委任が必要となる。(26文字)

【解説】
審査請求は、裁判手続きではないとはいっても、そこですることは裁判手続きと同じようなものです。
行政庁の処分が法律的にどのように違法であったのか、なぜ不当と言えるのか、どのような対応が適切だったのか、その根拠となる法令は… などなど考えることは非常に多いです。これまで法律に触れていない人がいきなり審査請求を自分でするのは非常にハードルが高いのです。
そこで、代理人を選任することもできるようになっていて、代理人は審査請求に関する一切の行為をすることができます。ただし、取下げについては特別の委任をする必要があります。
ちなみに、「特別の委任」とはいってもそこまで難しいことではありません。委任状に「審査請求に関する一切の権限を委任する」という文言とは別に、「審査請求の取下げに関する権限を委任する」と記載すればよいだけです。先の文言にある「一切の権限」に取下げが含まれていないだけのことで、それとは別に取下げも委任すると書けばよいだけというわけです。

問題3

処分を受けたAは審査請求をしようと考えたが、知人Bも当該処分に関係するものであった。Bが当該審査請求に自発的に参加するためには、どのような立場である必要があり、何が必要となるのか20文字程度で記述してください。

正解例
利害関係人として審理員の許可を得ること。(20文字)
【解説】
利害関係人は、Bのように自分から審理員に対して「参加させて!」と許可を求めることができます。また利害関係人として審理員側から「参加して!」と参加を求められることもあります。
Bが自発的に審査請求に参加するためには、利害関係人である必要があり、さらに審理員の許可が必要であることをおさえておきましょう。
参考条文
行政手続法
(命令等を定める場合の一般原則)
第三十八条 命令等を定める機関(閣議の決定により命令等が定められる場合にあっては、当該命令等の立案をする各大臣。以下「命令等制定機関」という。)は、命令等を定めるに当たっては、当該命令等がこれを定める根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならない。
2 命令等制定機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならない。
(意見公募手続)
第三十九条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
2 前項の規定により公示する命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該命令等の題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。
3 第一項の規定により定める意見提出期間は、同項の公示の日から起算して三十日以上でなければならない。
4 次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定は、適用しない。
一 公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、第一項の規定による手続(以下「意見公募手続」という。)を実施することが困難であるとき。
二 納付すべき金銭について定める法律の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての命令等その他当該法律の施行に関し必要な事項を定める命令等を定めようとするとき。
三 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める命令等を定めようとするとき。
四 法律の規定により、内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項若しくは国家行政組織法第三条第二項に規定する委員会又は内閣府設置法第三十七条若しくは第五十四条若しくは国家行政組織法第八条に規定する機関(以下「委員会等」という。)の議を経て定めることとされている命令等であって、相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として、法律又は政令の規定により、これらの者及び公益をそれぞれ代表する委員をもって組織される委員会等において審議を行うこととされているものとして政令で定める命令等を定めようとするとき。
五 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき。
六 法律の規定に基づき法令の規定の適用又は準用について必要な技術的読替えを定める命令等を定めようとするとき。
七 命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするとき。
八 他の法令の制定又は改廃に伴い当然必要とされる規定の整理その他の意見公募手続を実施することを要しない軽微な変更として政令で定めるものを内容とする命令等を定めようとするとき。
(意見公募手続の特例)
第四十条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、三十日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、前条第三項の規定にかかわらず、三十日を下回る意見提出期間を定めることができる。この場合においては、当該命令等の案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。
2 命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令等を定めようとする場合(前条第四項第四号に該当する場合を除く。)において、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、同条第一項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しない。
(意見公募手続の周知等)
第四十一条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。
(提出意見の考慮)
第四十二条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見(以下「提出意見」という。)を十分に考慮しなければならない。
(結果の公示等)
第四十三条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布(公布をしないものにあっては、公にする行為。第五項において同じ。)と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。
一 命令等の題名
二 命令等の案の公示の日
三 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨)
四 提出意見を考慮した結果(意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む。)及びその理由
2 命令等制定機関は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。この場合においては、当該公示の後遅滞なく、当該提出意見を当該命令等制定機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしなければならない。
3 命令等制定機関は、前二項の規定により提出意見を公示し又は公にすることにより第三者の利益を害するおそれがあるとき、その他正当な理由があるときは、当該提出意見の全部又は一部を除くことができる。
4 命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに第一項第一号及び第二号に掲げる事項を速やかに公示しなければならない。
5 命令等制定機関は、第三十九条第四項各号のいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。ただし、第一号に掲げる事項のうち命令等の趣旨については、同項第一号から第四号までのいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しなかった場合において、当該命令等自体から明らかでないときに限る。
一 命令等の題名及び趣旨
二 意見公募手続を実施しなかった旨及びその理由
(準用)
第四十四条 第四十二条の規定は第四十条第二項に該当することにより命令等制定機関が自ら意見公募手続を実施しないで命令等を定める場合について、前条第一項から第三項までの規定は第四十条第二項に該当することにより命令等制定機関が自ら意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合について、前条第四項の規定は第四十条第二項に該当することにより命令等制定機関が自ら意見公募手続を実施しないで命令等を定めないこととした場合について準用する。この場合において、第四十二条中「当該命令等制定機関」とあるのは「委員会等」と、前条第一項第二号中「命令等の案の公示の日」とあるのは「委員会等が命令等の案について公示に準じた手続を実施した日」と、同項第四号中「意見公募手続を実施した」とあるのは「委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施した」と読み替えるものとする。
(公示の方法)
第四十五条 第三十九条第一項並びに第四十三条第一項(前条において読み替えて準用する場合を含む。)、第四項(前条において準用する場合を含む。)及び第五項の規定による公示は、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により行うものとする。
2 前項の公示に関し必要な事項は、総務大臣が定める。
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