ミニ記述チャレンジ ウェブテキスト版
問題1
普通地方公共団体の議会は100条調査権を行使するため、特に必要があると認めるとき何をすることができるのか【選挙人その他の関係人の】に続く形で25文字程度で記述してください。
正解例
【選挙人その他の関係人の】
出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。(26文字)
【解説】
地方自治法の100条に規定されているので、100条調査権と言われているものです。とても強力な規定が置かれているもので、関係人に出頭や証言、記録の提出を請求することができます。
さらに、正当な理由がなく拒めば刑罰を受ける可能性があるという強い罰則まで用意されているのです。
100条調査権は、五肢択一の対策としても重要なので、必ず覚えるようにしましょう。
【選挙人その他の関係人の】
出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。(26文字)
【解説】
地方自治法の100条に規定されているので、100条調査権と言われているものです。とても強力な規定が置かれているもので、関係人に出頭や証言、記録の提出を請求することができます。
さらに、正当な理由がなく拒めば刑罰を受ける可能性があるという強い罰則まで用意されているのです。
100条調査権は、五肢択一の対策としても重要なので、必ず覚えるようにしましょう。
問題2
長は議会の議決について異議があるときは、再議に付すことができる。長が当該再議に付すためには議決の日から10日以内に何を行う必要があり、当該再議を何と呼ぶか20~25文字程度で記述してください。なお、当該議決は条例の制定改廃・予算以外の議決であった。
正解例
理由を示す必要があり、一般再議と呼ぶ。(19文字)
理由を示す必要があり、一般的拒否権と呼ぶ。(21文字)
理由を示す必要があり、一般的再議請求権と呼ぶ。(23文字)
【解説】
この設問のような、長による再議を一般再議(一般的再議請求権/一般的拒否権)といいます。しかし、異議があったとしても長が我慢して、再議に付さないこともできます。再議に付す場合は理由も示す必要があります。これは議会としても、なぜ再議に付されるのか説明を受けたいはずですから当然の規定ですね。
ちなみに、議決したことが条例の制定改廃・予算に関するものである場合は、「議決の日から10日以内」ではなく「送付を受けた日から10日以内」に変わる点にも注意しましょう。
長が再議に付すと、議会側は対抗策として再議決することで議会の勝ちになり議決は確定します。議会の議決は、通常は出席議員の過半数の同意でOKとなっていて、再議決の場合も同じです。
しかし、条例と予算に関するものに関しては、議会が再議決するのに出席議員の2/3以上の同意が必要となります。出席議員の2/3に満たなければ、長の勝ちで廃案となってしまいます。
理由を示す必要があり、一般再議と呼ぶ。(19文字)
理由を示す必要があり、一般的拒否権と呼ぶ。(21文字)
理由を示す必要があり、一般的再議請求権と呼ぶ。(23文字)
【解説】
この設問のような、長による再議を一般再議(一般的再議請求権/一般的拒否権)といいます。しかし、異議があったとしても長が我慢して、再議に付さないこともできます。再議に付す場合は理由も示す必要があります。これは議会としても、なぜ再議に付されるのか説明を受けたいはずですから当然の規定ですね。
ちなみに、議決したことが条例の制定改廃・予算に関するものである場合は、「議決の日から10日以内」ではなく「送付を受けた日から10日以内」に変わる点にも注意しましょう。
長が再議に付すと、議会側は対抗策として再議決することで議会の勝ちになり議決は確定します。議会の議決は、通常は出席議員の過半数の同意でOKとなっていて、再議決の場合も同じです。
しかし、条例と予算に関するものに関しては、議会が再議決するのに出席議員の2/3以上の同意が必要となります。出席議員の2/3に満たなければ、長の勝ちで廃案となってしまいます。
問題3
知事は議会の議決がその権限を越えていたり、法令や会議規則違反があったりする場合は、再議(又は再選挙)に付す義務がある。これを特別再議(特別的再議請求権/特別拒否権)というが、特別再議をしたにもかかわらず議会が再度同じ議決を行った場合、知事は何日以内に誰に対して何をすることができるのか20文字程度で記述してください。
正解例
21日以内に総務大臣に審査申し立てを行える。(22文字)
【解説】
義務として長が再議に付したとしても、議会が意地になって再度議決をしてしまうこともあります。そんなときは、審査の申立てをすることができます。審査の申立て先は次のとおりです。
▶審査申立て先
・都道府県知事➡総務大臣
・市町村長➡都道府県知事
設問は知事であることを前提にしていますが、上記のとおり市町村長についても同様に審査の申立てをすることができるようになっています。そして、その場合の審査の申立て先は都道府県知事になっているんですね。
また、審査をしてもらっても、なお不満である場合は裁判で争うこともできます。
なお、審査申立ても裁判所への出訴も、するかどうかは長が任意に決めることができる点には注意してください。再議に付すのは義務ですが、審査も裁判も任意となることに注意しましょう。
21日以内に総務大臣に審査申し立てを行える。(22文字)
【解説】
義務として長が再議に付したとしても、議会が意地になって再度議決をしてしまうこともあります。そんなときは、審査の申立てをすることができます。審査の申立て先は次のとおりです。
▶審査申立て先
・都道府県知事➡総務大臣
・市町村長➡都道府県知事
設問は知事であることを前提にしていますが、上記のとおり市町村長についても同様に審査の申立てをすることができるようになっています。そして、その場合の審査の申立て先は都道府県知事になっているんですね。
また、審査をしてもらっても、なお不満である場合は裁判で争うこともできます。
なお、審査申立ても裁判所への出訴も、するかどうかは長が任意に決めることができる点には注意してください。再議に付すのは義務ですが、審査も裁判も任意となることに注意しましょう。
【設問以外も含めた再議 まとめ】
再議に付すのが義務になる状況 |
再議決された場合 |
議会の議決の権限超えor法令等の違反 | 21日以内に【知事→総務大臣】【市町村長→都道府県知事】に審査申立てできる ➡上記判断に不服なら60日以内に裁判出訴できる |
義務費の削除、減額 |
義務費を予算計上できる |
非常災害・感染症予防費の削除、減額 |
不信任議決とみなすことができる |
問題4
議会が議決すべきことをしないときや、緊急を要するため議会を招集できないとき、長はその議決すべき事件を処分することができ、これを法定専決処分という。この法定専決処分を行ったとき長は何をしなければならないのか25文字程度で記述してください。
正解例
次の会議で議会に報告し、その承認を求めること。(23文字)
【解説】
議会がするべきことをしないとか緊急時は、議会が議決しないといけないことを長が勝手にすることができるのが法定専決処分です。
そして、法定専決処分をしたときは、議会に報告して承認を求める義務があります。とはいえ、議会が承認しないこともあります。こんなときでも、法定専決処分の効力はなくなりません。
しかし、条例の制定や改廃は、住民に与える影響も大きいです。そのため、議会に承認されなかったときは必要な措置をして、それを議会に報告しないといけません。
法定専決処分をして、議会に不承認とされたときに、条例制定・改廃だけはその後にひと手間が必要であることを押さえておきましょう。
次の会議で議会に報告し、その承認を求めること。(23文字)
【解説】
議会がするべきことをしないとか緊急時は、議会が議決しないといけないことを長が勝手にすることができるのが法定専決処分です。
そして、法定専決処分をしたときは、議会に報告して承認を求める義務があります。とはいえ、議会が承認しないこともあります。こんなときでも、法定専決処分の効力はなくなりません。
しかし、条例の制定や改廃は、住民に与える影響も大きいです。そのため、議会に承認されなかったときは必要な措置をして、それを議会に報告しないといけません。
法定専決処分をして、議会に不承認とされたときに、条例制定・改廃だけはその後にひと手間が必要であることを押さえておきましょう。
問題5
議会の権限に属するもので長が専決処分をすることができるものがあるが、それはどのようなものか【議会の権限に属する】に続く形で25文字程度で記述してください。なお、この専決処分を行ったとき長は議会に報告する義務を負うが承認を求める必要はないものとなる。
正解例
【議会の権限に属する】
軽易な事項で、その議決により特に指定したもの。(23文字)
【解説】
一つ前の設問は法定専決処分に関するものでした。この設問は議会が長に委任して、長が専決処分をするというものです。あくまでも軽易なことしかできませんが、議会が委任をした上ですることなので議会には報告するだけでOKとなっています。
法定専決処分と比較すれば、議会に委任に基づく専決処分は気軽にできることを押さえておきましょう。
【議会の権限に属する】
軽易な事項で、その議決により特に指定したもの。(23文字)
【解説】
一つ前の設問は法定専決処分に関するものでした。この設問は議会が長に委任して、長が専決処分をするというものです。あくまでも軽易なことしかできませんが、議会が委任をした上ですることなので議会には報告するだけでOKとなっています。
法定専決処分と比較すれば、議会に委任に基づく専決処分は気軽にできることを押さえておきましょう。
【専決処分 まとめ】
できる状況 | 専決処分後 | その他 | |
法定専決処分 |
議会がすることをしない、緊急時など | 次の会議で議会に報告し承認を求める |
条例制定・改廃を不承認とされた場合は、必要な措置をとり議会に報告 |
議会委任の専決処分 | 軽易なことで議会が委任したとき | 次の会議で議会に報告 |
― |
参考条文
地方自治法
第百条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。
② 民事訴訟に関する法令の規定中証人の訊問に関する規定は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、前項後段の規定により議会が当該普通地方公共団体の事務に関する調査のため選挙人その他の関係人の証言を請求する場合に、これを準用する。ただし、過料、罰金、拘留又は勾引に関する規定は、この限りでない。
③ 第一項後段の規定により出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
④ 議会は、選挙人その他の関係人が公務員たる地位において知り得た事実については、その者から職務上の秘密に属するものである旨の申立を受けたときは、当該官公署の承認がなければ、当該事実に関する証言又は記録の提出を請求することができない。この場合において当該官公署が承認を拒むときは、その理由を疏明しなければならない。
⑤ 議会が前項の規定による疏明を理由がないと認めるときは、当該官公署に対し、当該証言又は記録の提出が公の利益を害する旨の声明を要求することができる。
⑥ 当該官公署が前項の規定による要求を受けた日から二十日以内に声明をしないときは、選挙人その他の関係人は、証言又は記録の提出をしなければならない。
⑦ 第二項において準用する民事訴訟に関する法令の規定により宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の禁錮に処する。
⑧ 前項の罪を犯した者が議会において調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、その刑を減軽し又は免除することができる。
⑨ 議会は、選挙人その他の関係人が、第三項又は第七項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる。
⑩ 議会が第一項の規定による調査を行うため当該普通地方公共団体の区域内の団体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない。
⑪ 議会は、第一項の規定による調査を行う場合においては、予め、予算の定額の範囲内において、当該調査のため要する経費の額を定めて置かなければならない。その額を超えて経費の支出を必要とするときは、更に議決を経なければならない。
⑫ 議会は、会議規則の定めるところにより、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができる。
⑬ 議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。
⑭ 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。
⑮ 前項の政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務活動費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。
⑯ 議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。
⑰ 政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。
⑱ 都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村の議会及び他の都道府県の議会に、公報及び適当と認める刊行物を送付しなければならない。
⑲ 議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。
⑳ 前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。
第百十三条 普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議を開くことができない。但し、第百十七条の規定による除斥のため半数に達しないとき、同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は招集に応じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。
第百七十六条 普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
② 前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。
③ 前項の規定による議決のうち条例の制定若しくは改廃又は予算に関するものについては、出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。
④ 普通地方公共団体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならない。
⑤ 前項の規定による議会の議決又は選挙がなおその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、都道府県知事にあつては総務大臣、市町村長にあつては都道府県知事に対し、当該議決又は選挙があつた日から二十一日以内に、審査を申し立てることができる。
⑥ 前項の規定による申立てがあつた場合において、総務大臣又は都道府県知事は、審査の結果、議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該議決又は選挙を取り消す旨の裁定をすることができる。
⑦ 前項の裁定に不服があるときは、普通地方公共団体の議会又は長は、裁定のあつた日から六十日以内に、裁判所に出訴することができる。
⑧ 前項の訴えのうち第四項の規定による議会の議決又は選挙の取消しを求めるものは、当該議会を被告として提起しなければならない。
第百七十七条 普通地方公共団体の議会において次に掲げる経費を削除し又は減額する議決をしたときは、その経費及びこれに伴う収入について、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない。
一 法令により負担する経費、法律の規定に基づき当該行政庁の職権により命ずる経費その他の普通地方公共団体の義務に属する経費
二 非常の災害による応急若しくは復旧の施設のために必要な経費又は感染症予防のために必要な経費
② 前項第一号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その経費及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができる。
③ 第一項第二号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決を不信任の議決とみなすことができる。
第百七十九条 普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。ただし、第百六十二条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意及び第二百五十二条の二十の二第四項の規定による第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
② 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
③ 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
④ 前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。
地方自治法
第百条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。
② 民事訴訟に関する法令の規定中証人の訊問に関する規定は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、前項後段の規定により議会が当該普通地方公共団体の事務に関する調査のため選挙人その他の関係人の証言を請求する場合に、これを準用する。ただし、過料、罰金、拘留又は勾引に関する規定は、この限りでない。
③ 第一項後段の規定により出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
④ 議会は、選挙人その他の関係人が公務員たる地位において知り得た事実については、その者から職務上の秘密に属するものである旨の申立を受けたときは、当該官公署の承認がなければ、当該事実に関する証言又は記録の提出を請求することができない。この場合において当該官公署が承認を拒むときは、その理由を疏明しなければならない。
⑤ 議会が前項の規定による疏明を理由がないと認めるときは、当該官公署に対し、当該証言又は記録の提出が公の利益を害する旨の声明を要求することができる。
⑥ 当該官公署が前項の規定による要求を受けた日から二十日以内に声明をしないときは、選挙人その他の関係人は、証言又は記録の提出をしなければならない。
⑦ 第二項において準用する民事訴訟に関する法令の規定により宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の禁錮に処する。
⑧ 前項の罪を犯した者が議会において調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、その刑を減軽し又は免除することができる。
⑨ 議会は、選挙人その他の関係人が、第三項又は第七項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる。
⑩ 議会が第一項の規定による調査を行うため当該普通地方公共団体の区域内の団体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない。
⑪ 議会は、第一項の規定による調査を行う場合においては、予め、予算の定額の範囲内において、当該調査のため要する経費の額を定めて置かなければならない。その額を超えて経費の支出を必要とするときは、更に議決を経なければならない。
⑫ 議会は、会議規則の定めるところにより、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができる。
⑬ 議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。
⑭ 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。
⑮ 前項の政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務活動費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。
⑯ 議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。
⑰ 政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。
⑱ 都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村の議会及び他の都道府県の議会に、公報及び適当と認める刊行物を送付しなければならない。
⑲ 議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。
⑳ 前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。
第百十三条 普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議を開くことができない。但し、第百十七条の規定による除斥のため半数に達しないとき、同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は招集に応じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。
第百七十六条 普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
② 前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。
③ 前項の規定による議決のうち条例の制定若しくは改廃又は予算に関するものについては、出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。
④ 普通地方公共団体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならない。
⑤ 前項の規定による議会の議決又は選挙がなおその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、都道府県知事にあつては総務大臣、市町村長にあつては都道府県知事に対し、当該議決又は選挙があつた日から二十一日以内に、審査を申し立てることができる。
⑥ 前項の規定による申立てがあつた場合において、総務大臣又は都道府県知事は、審査の結果、議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該議決又は選挙を取り消す旨の裁定をすることができる。
⑦ 前項の裁定に不服があるときは、普通地方公共団体の議会又は長は、裁定のあつた日から六十日以内に、裁判所に出訴することができる。
⑧ 前項の訴えのうち第四項の規定による議会の議決又は選挙の取消しを求めるものは、当該議会を被告として提起しなければならない。
第百七十七条 普通地方公共団体の議会において次に掲げる経費を削除し又は減額する議決をしたときは、その経費及びこれに伴う収入について、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない。
一 法令により負担する経費、法律の規定に基づき当該行政庁の職権により命ずる経費その他の普通地方公共団体の義務に属する経費
二 非常の災害による応急若しくは復旧の施設のために必要な経費又は感染症予防のために必要な経費
② 前項第一号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その経費及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができる。
③ 第一項第二号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決を不信任の議決とみなすことができる。
第百七十九条 普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。ただし、第百六十二条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意及び第二百五十二条の二十の二第四項の規定による第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
② 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
③ 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
④ 前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。
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